サンタが街にやってくる
12月中頃のお話。
クリスマスソングが鳴り響くコンビニでおでんを物色していたら、1本の電話がありました。
『山鹿に来ているのですが、養蚕をされている花井さんでしょうか?お会いできますか?』
とのことで、待ち合わせの場所に行くと、素敵なご夫婦が待っていらっしゃいました。
40年程前まで、ご両親が養蚕業を営まれていたとの事。
『紡ぎ車に座繰り機、現在使うことはもう無いけど両親が大事にしていたものなので、捨てることが出来なかった。良かったら使ってください。』 との事。
!!!
えっーえっー!!
こういうのがサプライズっていうのかな。
嬉しさと興奮のあまり、話しこんでしまいました。
そしてふと、こんなにも大切なものを戴いたのに、私にはお返しできるものがなにもない・・。
あ、そういえば、こないだ紡いだ糸を車に積んでたな。と、思い出し
奥様が編み物をされるとの事だったので、手紡ぎの糸を2枷お渡しすると、
『・・・懐かしい。お母さん、いつも糸紡いでたよね。昔は家にこうゆう糸がたくさんあったよね。この手触り本当に懐かしい。』 と、
とても喜んでくださいました。
その姿を見て、私は、嬉しい、というより、それを通り越した不思議な幸福感に全身が包まれました。
長い年月大切にされていた紡ぎ車と座繰り機。
私の元へ来てくれてありがとう。
天国のお母さまに、『まだまだ修行が足りん。』
と、言われそうですが、これから戴いた紡ぎ車でしっかり勉強したいと思います。
足踏み式の糸車。昭和23年、66~7年前のもの。
まだまだギュンギュン回ります。
サンタさんは田中さん。
大切に大切に使わせていただきます。
本当にありがとうございました。
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