台風一過
台風15号。
台風に備えて閉めた雨戸も、夜中に吹っ飛んでしまいました。
夜が明けて、畑を見に行こうと車で走り出すも、
倒れた大木でどこもかしこも通行止め。
結局車を停め歩いて畑へ行くも、畑へ行く道も倒木で通れず。
よそ様の民家や畑をすり抜け、ようやく裏の栗山へ到着。
倒れた栗の木、収穫を待たず落ちてしまったたくさんの栗。
そして桑畑。
殆ど折れていました。
畑に敷いた除草シートも、ものの見事に吹き飛ばされていました。
『うん。なんとなくそうだろうと思った。』
畑へ続く道のりの光景で、なんとなく予想はできてました。
蚕室や敷地内の建物は、瓦が数枚飛んだだけで無事でした。
午後からは、自宅周辺の倒れた大木や瓦なんかを、
ご近所さん達とせっせと片づけて、
断水してるおうちの方にはポリタンクで水を運んだりして。
『野菜は全滅よー。無事やったのは我が体だけた~い。』
と、笑顔を見せる野菜農家さんも、
先日、『あと10日程で収穫できるばい。』
と言って、自慢の梨を試食させてくれた農家さんも、
みんな、力を合わせてたんたんと目の前にあることをこなしてる。
翌日、まだ家の電気が復旧していない隣の農家のお父さんは、
『今夜はいつもより早い時間から呑ませてくれ。』
と、奥さんに手を合わせて、みんなを和ませてた。←本気の懇願だったけど。
熊本へ来てからのお知り合いは農家さんが多いのだけど、
逞しさと根気強さとユーモアのセンスに、いつも、へー、ほー、と感心させられる。
そして、消えたままの交差点の信号も、
みんな譲り合って、事故もなくスムーズに流れてる。
自然相手じゃ、どんなに守りたくて両手を広げても、守れない。
ことのほうが多いし、
備えあれば憂いなしだけど、限界もある。
野菜も果樹も、収穫の時期だけ手がかかるわけじゃない。
1年を通し、土を作って耕して肥料をまいて剪定して除草して、色んな作業を経てようやく収穫の時を迎える。
そんな収穫の時を前に、みんな胸の中にいろんな思いがあるのだろうけど、たんたんと目の前のことをこなしてる。
朽ちてしまった作物を前に、なにも言葉はでてこないし、私の拙い言葉を絞り出してもきれいごととしか思えないので、
ただ、たんたんと自分にやれることをやっていくしかない。
周りの農家さんの被害に比べたら、桑畑は・・・、なのかもしれないけど、
この畑は、私が大事に守っている畑で、
まだまだ未熟で、いつも草ボーボーにしてしまっているけど、本当に大事な畑。
ひとりごとをつぶやけるブログでしか言えないけど、ショックだ。悲しい。
とりあえずは、折れた桑の木を切ろう。
剪定は、この時期じゃなく、いついつまでにやればいい。
3年経って、なんとなくの事が分かってきたし、
シートを張るのも、初めての時四苦八苦したおかげでコツがつかめた。
今度は楽勝だ。
台風前日の桑の木。
太陽に向かって真っすぐに伸びてる。
桑畑の中でポツンとしゃがんで草刈りしてるときは、ちょっとしたラビリンスだった。
春はなかなか芽が出ず、育蚕に使えなかったのだけど、
この2ヵ月でぐんぐん伸びて、私の背を追い越した。
来季には潤沢な桑の葉で育蚕が出来ると目論んでいたのだけど、残念だ。
(別の場所にお借りしている桑畑はなんとか無事でした。)
ちなみに、こないだの健康診断で身長が1㎝伸びて163㎝になってた。
毎日太陽の下で働いてるから伸びたのだろう。
と、思っている。
太陽の光と恵みの雨があれば、また作物は成長してくれる。
これからも、自然の恵みに感謝しながら、自然の力に鍛えられていくのだろうな。
と、思う。
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