3令の眠
5月10日に掃き立てを行いました。
今年の春は、先輩農家さんと一緒に稚蚕飼育。
昨春は先輩農家さんが入院されていて一人だったので、
今年の嬉しさはひとしお。
3令までご一緒できる稚蚕飼育は至福の時間です。
孵化して初めての呼び出し桑。
竹のバラ一枚の中央には孵化したての5000頭のお蚕さん(蟻蚕)。
5000頭のお蚕さんの卵(蚕種)は2.5gです。
最盛期、養蚕農家をされていらっしゃった先輩方に、
『どれくらい飼育されていたのですか?』
と聞いて、頭数で言われる方(頭数を知っている方)はほとんどいません。
地域により異なりますが、熊本では10g(2万頭)が一箱単位なので、
皆さん、蚕種(卵)のグラム数か、箱単位で答えられます。
今年の春は、先輩農家さんと私で30gの飼育。
昨春より少し少なめです。
1令
2令
3令
一桑ごとにどんどん大きくなっていくお蚕さん。
給桑して30分後には、成長がわかります。
給桑は、5時、11時、16時、22時の一日4回。
5令まで基本この時間帯に給桑しますが、稚蚕時は給桑量もまだまだ少なく、
桑取りに追われることもありません。
【良質な繭をつくるには土づくりから】
【蚕を上手に飼う要領は眠起をそろえること】
この2つは、養蚕の本や教科書によく書いてありますが、
ほんとにその通り、おっしゃる通りで・・・。
桑葉の出来によって、収繭量や質が全く異なる。←身をもって経験済
眠起の取り扱いがうまくいってないと、お蚕さんの生理的や人間の作業などで、のちのち大変になる。←これも経験済
稚蚕時の眠起の取り扱いには、ちょっと神経使います。
焦って作業を進めないように、お蚕さんの様子を見ながら。
お蚕さんが眠に入る前には責桑をします。
もうすぐ眠に入りそうだという時に、ひと桑パラパラと桑の香りを嗅がせると、
うまく眠に入ります。
動きが少し鈍くなりだした時がタイミングで、7割ほどのお蚕さんの動きが止まっていたら、責桑はしません。
そして2割ほど就眠したら、温度・湿度をともに少し下げ、
9割が就眠したところで、石灰を振り、乾燥を促しながらお蚕さんと蚕沙を隔離します。
3回目の脱皮に向けて、眠に入りだしたお蚕さん。
まあまあ揃っているようで、少し安心。
一連の作業、ベテラン農家さんは経験と勘に基づく感覚で行いますが、
私にはまだ経験が必要。
でも、お蚕さんの様子を見ながら、ここだ!という、タイミングを図る作業は、
とても好きな時間だ。
就眠中のお蚕さん。
今はこんなにコンパクトに収まっていますが、
明日は広い蚕室にお引越しです。
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